油彩手順4

油彩手順の第4弾になります。もう4つ目ですが描き方がわからないと言われてもなかなか対応しずらいのが本音のところです。どういう絵を描きたいかのイメージがあるとアプローチの仕方もご提案できます。漠然とわからない場合はほとんどが単純に枚数不足なことが多いですね。楽しくたくさん描いてご自分の疑問を明確にしてあげましょう。

今回のキーワード、カラーウォッシュですがオッケーですか。カラーウォッシュの定義が曖昧ですね。透明水彩で描く人には馴染みのあるウォッシュ。簡単に言うと薄めて塗ることです。油彩で最初から厚塗りするとコントロール不能になって仕事がしにくくくなります。アラプリマなら尚更でもうどうにもならなくなると一度乾かす必要が出てきますね。なので手筋としては薄塗りからスタートして少しずつ絵具を強く乗せていき、本塗りではしっかりと絵具を乗せます。ではサンプルでまたヌード描きましたので手順をご紹介します。

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下描きのセクションです。バーントシエナとランプブラックの混色で全面下塗りしたあとに線で形を取っています。最近クラシックパレットを見直しています。クラシックパレットとは僕が作った言葉ですが昔から使われている絵具で構成されたパレットです。彩度は下がる傾向にありますが味のある色が出ますね。線で形を取るときはシンプルがいいです。なるべく少ない線で最小限の仕事の方が混乱が少なくなります。点と点でスッと線が引けるといいですね。ここでは形の狂いがありますが塗ったときに修正可能な範囲のズレまでとしています。ここで一度乾かしました。


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カラーウォッシュをしたところです。前のセクションの線描は乾いているのでおかまいなしに色をかぶせていきます。輪郭に沿ってきれいに塗るのもいいですが大胆に。塗るというよりぶっかける感じですね。油彩は拭き取れます。間違えたら拭けるので何一つ怖がることはありません。油分の割合が多い画用液ですとギトギトになるので自作ペインティングオイルを使いましょう。次のセクションに影響して仕事がしにくいところはキッチンペーパーで拭き取りました。赤ではないモチーフにも後半のステップでこのウォッシュがほんのり混ざり合い画面に統一感が出ます。

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シェイディングしながら形を取る方法もありますがLine Drawingだったのここでまずはお決まりのシャドウをしっかりと整えていきます。シンプルにバーントアンバーに少しウルトラマリンを混ぜた色でシャドウを塗りました。グダグダだった状態からグッと締まりましたね。だから明暗はとても大切なんです。シャドウの形を的確に取る。アカデミックデッサンをしっかりこなしておくとこの辺が強みになりますね。絵が崩れそうになるところを踏ん張れるといいますか。


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最初に塗った赤もカラーウォッシュですがここでは固有色のカラーウォッシュになります。ウォッシュと聞くと透明な感じをイメージするかと思いますが不透明な絵具も薄めればウォッシュになります。肌は不透明になるのでキャンバスの目が薄く埋まる程度に塗っています。シャドウは前にシェイディングしたまま放置で今の段階では暗くなっていればいいぐらいです。不透明にするかどうかは後半にやることで明暗のトーン差の保持が優先になります。これで本塗り前の準備ができました。


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本塗りに入ります。本塗りなのでほとんど薄めていない絵具直塗りになります。油彩は薄塗りからのスタートになりますが後半につれて絵具の濃度を上げれないケースが多いです。前のセクションの緩い塗りのまま完成させるとなんとなく締まりがない。ケチらず本塗りでは絵具を塗り伸ばさないで乗せましょう。軟らかい筆だと下の絵具をなめてしまって乗らないと思いますので豚毛の筆にしっかり絵具をつけて塗るのがコツです。明暗の境目もブレンドで連結していきますが明部側とシャドウ側の双方からやりくりすると馴染んできます。明部の中の明るい部分を早めに一度跳ね上げるのも有効な手段です。ハイエストがどこなのかはっきりさせることで制作しやすくなります。


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完成です。油彩手順シリーズを続けていますが手順の整理をしています。今まで感覚で描いてきた部分が多く、なぜ良く描けて、またなぜダメだったのかはっきりした答えがほしい。確かなものですね。今日も昨日も他のヌードも含め8時間ぐらい描きましたがまだまだ努力が足りませんね。下手だなぁと思いつつ、悔しさがあってまたその繰り返しです。

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