油彩のことからあれこれ

今日は油彩画基礎のワークショップでした。
皆さん楽しそうに描いていたのでよかったです。
ただこれまで見てきた中での油彩の注意事項を書きたいと思います。

絵具をケチると上達に支障が出ます。
もし絵具が使い放題だったら皆さんたくさん絵具をこねて色試ししますよね。
混色の上手さは場数でもあります。パレットで色試しに失敗したらナイフですくって捨てるぐらいがいいかもしれません。
水彩は手軽でコスパがいいのでこの辺は強いですね。

絵具をケチるともう一つ悪いことがありますがそれは塗りが弱くなることです。
油彩は必ずしも重ね塗りする必要はないので一発で仕上げるところは一層でもかまいません。
ここで塗りが弱いと乾いてまた塗ってとなり発色が悪くなってしまいます。
勝負所ではしっかり塗ってあげましょう。

油壺(溶き皿)に入れるペインチングオイルも同じです。
僕はいつも余るように入れます。
描き終わってブラシクリーナーに入れる前にできるだけその余った溶剤で筆を綺麗にします。
たまにテレピンだけ入れて洗ったりもします。
けっこう綺麗にしておかないとブラシクリーナーもすぐ汚れますので僕はこうしています。
皆さんニスやペンキでDIYしたことありますか。
経験がある方ならわかると思いますがニスやペンキで使った刷毛でかなり洗わないと綺麗にならないんですよね。
僕の中では油彩もこれと同じような感覚です。

油彩と言っても月数回描く程度ならそんなに画材代もかかりません。
画材は消耗品だと思って大胆に使いましょう。

話おもいっきり変わります。
皆さん自転車乗れますか。乗れますよね。笑
自転車乗るとき乗り方意識しますか。しませんね。これ完全に自転車の乗り方を習得した状態です。
絵描いているときはどうですか。ここまでくればもうおわかりですね。
描き方、描く手順など理論的なことを頭で考えながら描いているならまだそのことは身に付いていないことになります。
自転車乗るときにペダルに乗せる足の位置やサドルの高さなど気にしなくても乗れるものです。
絵を描くときもこんな状態がいいと思います。極論言ったら無ですね。
思考を介さない。思考と感情は人間の2大要素ですね。
思考を限りなく無の状態にできれば感情がより大きく出てくる。
絵の基礎はありますがそれを無意識レベルまで習得してやれば感情が優位になり、よりみずみずしい絵が描けるようになります。
頭優先(絵は上手くなければダメだ、描く手順がはっきりしてないと落ち着いて描けない)状態になると良い絵を描ける可能性が減りますね。
多勢を論破できるぐらいの頭の良い理論派なら通るかもしれませんが一般的な絵では多分無理でしょう。

僕はクロッキー、スケッチをいつも推奨していますが直感モードを養うためです。
人間はできるだけマットウニイキルようにセットアップされているので本当の自分を隠してしまいます。
日々の積み重ねでこれが頭の髄まで刷り込まれると思考優先になって感情の出し方すら忘れてしまいます。
人によって絵が「お絵描き」だったり「理論で描く」だったりしますがその間がいいと思います。
万事バランス良く、どこかに偏ると相対的な向上がなかったりします。
木を見て森を見ず。細かいディテールを捨てて絵全体を見るのは難しいです。
人間の目はどうしたって一点を見ますので木ばかり見てしまいます。
ここでもベラスケスですね。ラフに描いてあっても一枚の絵で見るとパーフェクト。かっこいい。

また話変わります。
7月の展覧会でレクチャー&デモをやるとの告知を出しましたが思ったより反応が良くて有難いです。
あんまり人が多いと緊張して描けないのでほどほどでお願いします^^
油彩で顔の描き方ということでしたがどこにフォーカスしてお話しようかまだ考えています。
予定では小一時間なのでどこまでお話できるかわかりませんがなるべく効率良くお伝えできればと思います。

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