アラプリマの応用

リアリズムとかリアリストとか。物の本質をとらえようとするアプローチ。これは写実性の高さとは直結しません。リアリズムの巨匠、アントニオ・ロペスの原画をスペインで見ましたが写真みたいな絵ではなかったです。アートですから中身(心)がリアルかどうかですね。
僕もリアリズムを目指していますが写実性への縛りや写真みたいに描かないと上手くない、認められないなどの小さい視野はもう微塵もありません。それよりも核心をついた絵を描きたいと常々思っています。なかなか難しい道を選んでしまったことには気付いてしまいましたが終わらないアドベンチャーの方が楽しいですね。

描こうとする意識を捨てる練習をたまにします。ドアがある。ドアを描こうとしますね。ドアじゃない。トーンだけで描く。その心理になると描くのがとても楽になります。常にその状態でいるには定期的なメンテナンスが必要かなと。人間生きてると固定観念の縛りがどうしても出てきますがその頭だと絵が描きにくい。生まれたての赤ちゃんのように初めてその物を観るような感覚が理想ですね。

油彩での下描きは皆さんどうされていますか。鉛筆?鉛筆は手軽でいいですね。僕も鉛筆で下描きすることはあります。アタリをつける感じですが。油彩で下描きする場合はバーントシエナを推奨しています。バーントアンバーでもいいですがちょいと濃いかなという印象です。これは個人的な問題です。とその前にどちらの色も僕は使わないのでなんとも言えないところですが初心者セットに入っているのでバーントシエナをチョイスしています。

仮にバーントシエナで下描きしたあとどうしますか。一度乾かしてから色を塗り始める?なんとなく時間を持て余す感じが。シッカチフの力を借りて翌日描く?その荒療治はやめましょう。かっこよくない。
ということでバーントシエナでしたあとアラプリマで仕上げる描き方をご紹介します。バーントシエナは赤茶で中間色といわれますね。他の色を混ざっても影響しにくい感じでいいのかな。バーントシエナは使わないので混色して作ったバーントシエナもどきですがご覧ください。

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描き始めの写真を撮っておけばわかりやすかったのですが茶色で下描きしました。実際にはただの茶色だとつまらないので緑がかった茶色です。下描きはどっちつかずの中間色でされることが多いですが意外と仕上がりの色味に影響することが多々あります。
下描きはしましたが線で形を取るということはせずに大きめな筆でシャドウを塗った感じです。グリザイユ技法のイメージですね。ここで一度乾かす人も多いかと思いますがそのまま色を塗っていきました。普通のアラプリマだと汚れるリスクがあるので茶色でいかないことの方が多いです。本塗りになると塗りも強くなるので下描きの茶色に負けないで色を置くことができます。塗ってからしばらく経つと絵具が少し固まる(ベタついて絵具が動きにくくなる)のでそんなに汚れることを恐れなくてもいいのかな。これも経験と練習で。下描きで厚く塗るとダメですね。薄塗りから厚塗りへ。
よくある質問で「茶色が混ざってしまうのですがどうするばいいですか?」です。反対に混ざってはいけないんですか?濁る?こう考えてはどうでしょう。全体にくまなく茶色が混ざっていくので画面の色に統一感が出る。多分その効果はあると思います。画面全体のカゲ色もひも付く。実物の色とは異なる結果になるかもしれませんが絵ですから。写真みたいに描きたい人にはこの描き方は都合が悪いので他の手法を考える必要があります。

先月のCHULAPO展で自分の絵の改善点が見つかったので修正も兼ねて描きました。自分が感じているより彩度が高くて絵が生っぽかったんです。感覚的に混色した色の彩度を高く見積もっている感じがして意図的に彩度の低い絵を描いてみました。ドブの水の色みたいになってもいいから色の汚れた絵を描こうと思いました。
このブログはもちろん皆さんのお役に立てるように書いていますが自己フィードバックも意味合いもあります。指導者になるとカゲでは色々言われていると思いますが表だってアドバイスが頂けない立場でもあります。なので自分が客観的になれる視点があるといいですね。
けっこう濁して描いても色の属性は保持されています。濁っていても緑系統の色だなとか察しがつきます。この絵はアラプリマですが茶色で下描きしてから塗りました。茶色が全体に混ざって統一感が出るメリットがありますね。あと筆跡、タッチについて。筆で描いたようなタッチが嫌で抽象的なタッチが好きです。どうやって描いたの?っていうタッチありますよね。それがいい。僕は自分を抽象画家だと言っていますがその理由の多くのここにあります。抽象的なタッチを探求しています。

バーントシエナの下描きから塗るのが嫌だったらモチーフの色を薄くしたもので下描きするのが合理的だと思います。ちょっと難しすぎるかな。CHULAPOに通って頂いている会員さんにはどんどんチャレンジしてほしいと思います。無理だと思ったことにチャレンジできる精神は素敵です。ブラボーです!失敗してはいけない。大人につきまとう永遠の課題ですが早めに解決した人は何事においても成功する確率が高いですね。だらだら生きてる場合じゃない。人生急いで丁度いい。

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