トーンの流動性

絵でトーンは重要な要素して扱われます。
指導して思うことはトーンは一つのグレーと認識されていることが多いような気がします。具体的には最初に乗せたトーンが正しいかどうかにこだわりすぎる。最終的には一つのトーンに落ち着きますが制作途中では非常に流動的。トーンは周りのトーンに敏感に反応し、その観え方も変わります。

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よくあるトーンの観え方を説明するサンプルです。
丸は同じグレーのトーンを持っています。しかし周りのグレーによって観え方は変わります。上は周りが薄いので丸が濃く見える。下は周りが濃いので丸が薄く見える。
ここまではいいのですがこれをどれだけの人がデッサン、色を使うときにも活かせているでしょうか。



例えばシャドウ内の反射光を強く入れすぎるケースが多いですが上のことが理解できていない証拠ですね。シャドウ内は暗く(濃く)しているのでいきなり反射光を入れると利きすぎてしまうのです。周りが暗いので控えめに反射光を入れることで観えた状態に近くなります。上のサンプルの下によく似た状況です。

トーンの流動性についてもう一つ。

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過去記事で使ったこともあるサンプルだと思いますが形を取ってシャドウをつけた段階です。シャドウ強いですよね。キアロスクーロのサンプルで描いたので少し誇張しています。キアロスクーロとは強い明暗対比のこと。ドラマティックな絵になります。



このシャドウ濃いですか?生徒さんにはシャドウが強いと言われることもありますが僕はそうでもないと思っています。

○絵に慣れていない人が濃く感じる理由
シャドウ以外が真っ白だから。将来的に紙の白はほとんど残らず完成します。サンプルの段階では周りが白いので余計にシャドウが濃く見えてしまうのです。最初の丸のサンプルの上の状態ですね。これを知らないでシャドウを充分に濃くできていないと後半他の部分とのトーンが狭くなり苦しくなってきます。

以上がトーンの流動性についての説明です。
トーンは動くことが理解できたらもう一つわかったことがありますね。どこかのモチーフのトーンが変化したら周りもそれに付随してなんかしらの変化があるということ。すぐさまのその変化に対応するため周辺、または画面全体のトーンを整えてください。その動きが止まったときにデッサンは完成します。

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