油彩のタッチは豊富です!

今年になってから油彩を描く生徒さんが増えてきました。チュラポのポリシーでもある「画材の線引きをしない」。いいですね。どんどん知らない画材を触りましょう。

油彩の一つの壁になるタッチ。筆跡ですね。透明水彩でもタッチを残すといいです。「絵は塗るのではなく、描くのです」
透明水彩で塗って終わりの人が多いですが最後まで描き切ってください。チュラポでも忍耐力のある人には「まだここ描けるよ」と言って筆を止めないようにしています。惜しいんですよね。もう少し描き込めばグッと良くなるのに。それを体感してもらいたいと思います。

写実性の高い絵を除いて一般的に描かれる油彩ではタッチが残りますよね。タッチについて語っていきたいと思います。僕の絵はチャッチャカ即興で描いたように見えますがけっこうそこまでいくの大変ですよ。そう、感じたままにサラッと描くのはかっこいい。憧れました。で、なんとなく手順が分かっても大きな課題になるのはタッチですね。タッチを残すの怖い。わかります。。。どういうタッチを残していいのかわからないとか。そんなときにおススメなのが巨匠の模写です。以下、僕が参考にした、印象に残っている画家のタッチを見ていきます。

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オランダの巨匠、フランス・ハルスです。模写しました。この時代にタッチを残した画家は珍しいと思いますが即興的でリズムがあって見ていて心地良いです。この絵に何も感じないならまだ絵を見る枚数が足りないですね。

日本ではあまり知名度がありませんが見る人が見るとうなずく画家だと思います。日本では大人の事情で知名度の低い画家の絵を見る機会が少ないかもしれません。でも我々はもうインターネットがあります。色々な国の、色々な時代の絵をググってください。視野を広く持ちましょう。


Girl.jpg

皆さんご存知フェルメールの絵ですね。
ちょっと癖のあるタッチですがそこがいいです。原画を見るとマジックにかけられているような錯覚になります。

点描的なタッチが多いんですよね。
帽子の明るい部分、画面右下のハイライトなど。



タッチを残すのは基本的に明部です。フェルメールの絵を見ればわかりますね。シャドウは静かな世界でタッチを残すを絵がザワついてしまうのです。反対に明部の描き込みがなかったらを想像してみてください。暗く沈んだ状態です。背景はかなり下塗りの部分(黄土色)が占めています。

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レンブラント先生の絵です。
これは模写しました。レンブラントはタッチを消した絵もありますがザックリ描いた絵もあります。テンペラと油彩の混合技法。テンペラは卵を顔料で溶いて描く画材ですが、日本では湿気が多くてゴキブリが寄ってくるので不向きかな。



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胸から股下までの部分写真です。
かなり力強いタッチです。大きく塗るところは太い筆を使うといいです。これは小さい筆で塗り広げるのと訳が違います。大きな筆でひと塗りする感覚も引き出しとして持ちましょう。
次いでに。茶色の下塗りの上から描いたと思いますが画面右側、左手周辺は下地が透けていますね。ということは薄塗りです。シャドウは透明色の薄塗り。服の明部は不透明色の厚塗り。人生を絵に捧げたレンブラント先生がこうして描いているのですから油彩は厚塗りという概念はもう捨てませんか。広まってしまった間違った概念を巨匠の絵から学びましょう。これがわからなければ油彩をこなせないと思います。

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僕の崇拝するサージェントの絵です。マドリードのティッセン・ボルミネッサ美術館に常設展示されている絵です。女性に注目しがちですが僕が驚いたのは背景の草木です。原画を見るとほぼなぐり描きです。でもそれで草木に見えるから成功なのです。遠くから見て草木に見えれば鑑賞者は草木だと思って近寄ってきますから問題ないです。


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これもサージェントです。模写しました。
タッチも的確ですが背景などは抽象性の要素を取り入れた印象です。
今思うと模写はやはりとても勉強になります。自分の中にタッチのデータが蓄積されると言うか。そっくり描けなくてもいいです。なんとなくいつもと違う自分を体感できるのは大きいですよ。



コギレイに描こうとしている人はタッチを残すことに抵抗があるでしょう。このタイプの絵は一番中途半端だと思うのです。ホキ美術館にあるような写実性が高い絵を描けるわけでもなく、かと言って感覚で描いたような生き生きとした絵でもない。自分の好きな絵を探ると目指す方向性が見えてきます。

模写する中で自分にはないタッチを吸収できます。お時間ありましたら試してみてください。

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