有色下地デッサンについて

最近9月に開催される有色下地デッサンについて考えていました。

有色下地デッサンは非常に有効なエクササイズです。
仕上げまでが早いので上達に必須の枚数が稼げるのもメリットの一つです。
白い紙から描くのが普通のように思われがちですがある意味難しい部分もあります。

絵で大切なのはいかに安定した固有色を置くかだと思っています。
指導ではトーンのベタ塗りを推奨していますがこれですね。
西洋のデッサンは力強く説得力がありますが固有色を重要視しているからだと思います。
トーンが染みついたようなデッサンとでもいいましょうか。

有色下地デッサンでは色画用紙を使うので固有色は絶対に崩れません。
このブレない固有色の大切が体感できるのです。
固有色に対して明部の明るいところはどのぐらいか、固有色に対してシャドウはどのぐらい暗いのか。
これらの基準になるのが固有色です。
基準になるものが不安定だとそこから枝分かれしていくトーンは上手くいきませんね。

一つサンプルを。スペイン時代に描いた人物スケッチです。

21981.jpg

紙のグレーが肌の固有色に設定してあります。
簡単に言うと紙のグレーよりトーンの低いシャドウだけを木炭で描きました。眉毛や唇など肌色より濃い固有色は少しトーンをつけています。
髪の明るいところは肌色と同じトーン。紙のグレーを利用しています。

描き方はとてもシンプルです。細々余計なことをすると絵が崩れていきます。
手数少なく、手順はスムーズに。

有色下地デッサンの大前提。それは観えたトーンを乗せるのでないということです。
観えたトーンセットを構築することにその意味があります。
紙自体に消せないトーンがついているので当たり前ですね。
これを納得できない人は上達が遅いです。
トーンセットの構築とは物と物、明暗のトーン差の関係性をセットアップすることです。

トーンセットの構築ができると水彩で塗る前から物毎のトーンの関係性が把握できるようになるので無駄な重ね塗りが減ります。
重ね塗りが減れば色が綺麗に出せるので絵が良くなりますね。

スケッチについて一つ。
たまにはぐちゃぐちゃに失敗していいので何も考えずおもっきり描いてください。
イメージとしては50mを全力疾走するような感じです。
完全右脳モード。左脳の分析的なものは全て捨てて描くといいです。
日常生活では右脳が解放しにくい状況になっているのでそいつを目覚めさせてやるのです。
イチロー選手は練習ではホームラン連発らしいですね。安打製造機なのに。
たまに思いっきりバット振らないと振れなくなるそうです。
絵って最終的には感覚だなと思います。
理論だけで突破できたら名門大学出身の人は皆絵が上手くなるはずですよね。
感覚を磨くにはやはり枚数で、特に考えないで感覚だけで描くことを学ぶ必要があります。
たくさん描いて失敗した経験があるからこそ、指導されたことも理解できることが多くなります。

失敗したら恒例の捨てポイですね。
上手く描けなかったから凹んでないで少し反省したら次の絵を描きましょう。

白い画用紙からスタートするデッサンをイメージしてください。
ものすごくシンプルに考えると白い物でもなんらかの薄いトーンをつけますね。
要はハイライトの紙の白を使うところ以外はトーンをつける必要があるわけです。というかトーンをつけないとそのハイライトの利きが悪いです。なので塗るのがめんどくさいとか言っている場合じゃないわけです。観えた状況を表現するためにしっかり塗ってあげることでデッサン力は向上していきます。

有色下地デッサンのメリットはまだありそうですが今日はこの辺までにしておきます。

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