観えたモノを描く

ブログでも通常クラスでも固有名詞は捨てろをいう指導をしています。
固有名詞とはイスとか目とか伝達のための言葉ですね。
生まれて初めてそのモチーフを観るような感覚で絵を描けるといいと思います。

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上の写真でコップにスプーンが入っているのはわかりますね。ただ絵で描くとなると別腹のようです。コップ部分のスプーンを上手く表現できますか。これはもうスプーンを描くって感覚ではダメですね。
「半透明な物の中に透けて明るく観えているモノ」という感覚が正しいです。
ここで「いや、スプーンだから丸い形状を描かなくては」と思いますがそうした感覚では上手くいきません。ただ観えたまま描くのが正解です。
仮にそれがスプーンに見えなくても観えたもの愚直に描くことで実際に観えたモノを再現できるようになります。逆転の発想でそれがスプーンに見えなくてもいいのです。

前回の記事の続きになりますが「キチッとその物である状態でないと描けない」と上手く描けない人多いです。
例えば立ったワインボトルは上手に描けるけど寝かせると描けなくなってしまう。
ワインボトルという固有名詞が邪魔していますね。
次のように解釈すると描くときにストレスが減ります。
「細長いガラス製の物が転がっている」ワインボトルという概念を取っ払いましょう。

描いた絵に違和感を感じるのは観えているモノとのズレが大きいからです。
デッサンの本当の価値はここですね。いかに邪念なくモノを観れるようになるかの修練です。デッサンを極めたいとか簡単に言う人がいますがそんな甘いものではありません。悟りを開くようなものなので極めることはほぼ無理でしょう。だからずっと続けるべきだと思います。僕はもうデッサンという感覚すらありません。観えたモノを紙に記して確認している感覚です。つまらないも楽しいもなく、ごくごく自然なことなのでストレスもかかりません。
そんな感じで今後も続くていくと思います。

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