油彩はベトベト塗るの!?

僕の油彩を見ると「これ油彩ですか?」とよく聞かれます。
厚塗りしないからそう見えるようです。油彩で描いたから油彩でしょう。
海外の友人に「これ油彩で描いたの?」と聞かれたことがありません。
彼らは幼い頃から美術館でそんなに厚塗りしていない古典絵画に触れているので違和感がないのだと思います。

日本では油彩=ベトベトと厚塗りするものというイメージが定着しているようです。
色々考えましたが油彩の基準が日本ではフランスの印象派だからではないでしょうか。それかゴッホのひまわりのイメージが強いか。笑

一度西洋美術史の本を読むといいと思います。印象派以降の絵はベトベト厚塗りの絵もありますがそれ以前は必要最小限の厚塗りしかしていません。
絵具を手作りしていた時代に厚塗りしていてはコスパが悪いですからね。

油彩を完成させたファン・エイクの絵はサラッとした印象です。
レンブラントは厚塗りしているところもありますがテンペラを駆使しているので例外ですね。

不必要に厚塗りしてしまう理由はもう一つあると思います。
それは絵具の透明と不透明を理解していないからです。
不透明な絵具は厚塗りしなくてもキャンバスの目をしっかり隠蔽(覆い隠す)してくれます。下に色があってもその色は隠れます。
反対に透明な絵具を厚塗りしても透明なままです。下の色が透ける。

経験者でも絵具のチューブに透明、不透明が明記されているの知らない人が多いです。指導者はなんで教えなかったのかよくわかりませんが大切なことなので暗記してください。めんどくさいとか言ってると上達しませんよ。
シャドウは基本的に透明なので透明か半透明の絵具を使いますね。
ご自分で絵具をチョイスするときはそういう意識を持つといいです。

厚塗りすると割れますね。割れるって悪いことです。画材を扱えてないことにもなります。
油彩は割れる運命にあると思いますがそれでもなるべくダメージを与えない方がいいと思います。
厚塗りするなら最終層。序盤で厚塗りして上に乗せるとやられるリスク高いです。

色々言いましたが僕は気分屋なのでめちゃくちゃ厚塗りした絵も描くかもしれません。描いたいて心地良いものが一番。そのときの気分で描き方変えるのもオッケー!伸び伸び描いてくださいね。

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