質感表現のコトハジメ

教室では基本を身に付けるまで質感の強いモチーフをセットしません。それよりまず形の精度とボリューム表現などに主軸を置きます。質感が出ないモチーフの方が上達のためには合理的だと思います。形の精度とボリューム表現は長い目で見れば質感表現に大きく関係してくるので基本を腕に刷り込んだ人が後々スムーズです。当然初心者が描くモチーフはあまりモチベーションの上げる物ではないかもしれません。「つまらない、刺激がない」となりますが愚直にやった人が最終的には笑いますね。

質感を表現するためのポイントを列挙していきます。

○輪郭線
意外と注意が落ちるところですが大切です。布や鉄など物によって輪郭線の違いがあります。
コップや机など工業製品は硬いです。ダラダラした線だとその時点で質感が壊れてしまいます。定規使ってでもキリッとした線を引きましょう。「定規は使うな」の指導は無視してかまいません。
僕は「定規は使うな」の指導で「なぜ定規を使ってはいけないのか」の納得できる説明を聞いたことがありません。定規を使うデメリットを知った上で使う分には強力な武器になります。もちろんスペインの美術学校でも使っている生徒はたくさんいました。大勢が言っていることが絶対に正しいとは限りませんよね。

○ハイライト
ハイライトは光源の映り込みです。表面のなめらかさで違いが出ます。

EX) 陶器や金属など
表面がツルツルしている物ほど鋭いハイライトになります。

EX) 布や木など
表面がザラザラしている物は当たった光が拡散するのでキラッと輝くハイライトになりません。
※下の写真左ではベルトのバックルのみハイライトがあり、革やジーンズにはありません。

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(注意1)
ハイライトをなんでも真っ白(紙の白)だと勘違いするケースがありますがハイライトにも強い弱いがあります。ハイライト自体のトーンをしっかり観察しましょう。

(注意2)
ハイライトにも形があります。必要以上に大きくしてしまうのをよく見かけます。卵などはザラザラしているので広がりのあるぼやけたハイライトになりますが金属などは小さな点のようなハイライトにもなります。またハイライトは凹凸の部分に出やすくその効果でザラザラ感を表現できます。(上の写真右のみかん)

体験レッスンでリンゴを描きますが皆さんハイライトを強く入れたがりますね。リンゴも傷んでくるとツヤがなくなってくるのでハイライトがほぼないこともあります。次いでにヘタがない、見えないリンゴを描くと気持ち悪いようです。ヘタがないのに描いてしまったりする人もいます。「ヘタがないとりんごに見えない」など言いますが観えていないものを描いてはダメですよ。観えたままそのままを再現するのがデッサンです。たとえそれがりんごに見えなくても。。。

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○ターミネータ(稜線)付近の凹凸
左の写真を見てください。
明部の光が強く当たっているところでは情報(ディテール)が見えにくくなっています。光が弱まるシャドウに入る一歩手前は凹凸などが見えやすいところです。この部分をしっかり描くことで質感を表現できます。



○映り込み
表面がツルツルしているものは周りの物が映り込みます。その映り込みもはっきり見えるほどツルツルの物として認識されます。

映り込みについては次回ステンレスを描くコツの記事で見ていきます。

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