フルトーンデッサン

今回はトーンの幅についてお話します。
上級者になるとトーンの幅が狭くても絵が成立します。しかしその前にしっかり紙の白から6Bまでの幅を使えるようになりましょう!
デッサンに慣れていない方はトーンの幅が狭い傾向にあります。まだ一つ、二つ濃いトーンがあることを意識してください。
普段あまり鉛筆で濃く描くことがないので少し戸惑うかもしれませんが字を書くときとデッサンでは別物です。
下の写真を見てください。
八角柱、背景、床のトーンがきれいに三つに分かれています。
紙の白が八角柱の左の面、一番暗いのが背景に投影されたカゲです。
八角柱の左の面の白さを表現するには他の部分のトーンをしっかり下げてあげる必要があります。
当たり前ですが紙の白よりトーンを上げることはできないのです。
背景や床にトーンをつけるのはめんどくさいと思われがちですがとても大切な仕事ということになります。
最も暗い背景の投影されたカゲに6Bまで使うことで床も4Bでトーンをつけられます。
これが濃いトーンまでしっかり使うイメージです。

画像の説明

●鉛筆の選択
※筆圧によって前後しますので参考程度にしてください。
・背景…2B
背景のカゲ…4Bか6B
・床…4B
床のカゲ…6B
・八角柱
左面…7H
真中面…4H
右面(シャドウ部分) …2Bか4B



●トーンについての補足
前回の記事と重複しますが、「白いモチーフはシャドウ部分もトーンが割と高め」というのは思い込みです。上の写真でもわかるとおり、八角柱のシャドウ部分は背景の緑よりもトーンが低くなっています。シャドウの下の方は反射光の影響で明るくなっていますが、上の方は黒い床と同じぐらいのトーンです。
シャドウを含めた画面全体では順位が逆転することが多々ありますので注意してください。
固有トーンはあくまでも基準で順位づけしていますが光源から距離によって変わります。
例えば光源から遠く離れた白いモチーフはもはや白く見えないかもしれません。明部が濃いグレーの場合も可能性としてあり得ます。色の情報に左右されすぎないようにトーンをよく観察してください。

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