旧・体験レッスン

今日は久しぶりに海遊びです。最近はもう暗くなるのが早くて6時半で波が見えなくなり上がりました。夏ももう終わりですね。夜は秋の風を感じます。

この前、新・体験レッスンの記事を書きましたので次いでに旧・体験レッスンがどんなものだったかご紹介します。会員さんは懐かしさを感じながら復習してくださいね。
そうそう。会員さんの中には時間が経ってから体験レッスンをもう一度やる方がいます。どれだけ上達したか試してみるのも面白いですよ。怖くてやりたくないでしょうが。笑

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体験に来られた人に参考にしてもらっていたものがこちらです。

感情豊かに描いてしまうとアドリブが出てしまうのでなるべく大人しく描きました。
大人しく基本に忠実に。。。

リンゴの周りにあぁだこぉだ書いてありますがこれから一つずつ解説していきます。



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トーンのつけ方の説明です。
左側は二つは簡単に言うとしっかり力入れてトーンをつけろということです。一番左はよくあることで紙を撫でるようにトーンをつけるタイプです。字はしっかり書けるのになぜ絵になると途端に筆圧が極弱になってしまうのでしょうか。失敗して消えなくなるのが怖いのはわかりますがこの心理的な謎はまだ解決できていません。

真ん中はハッチングのサンプルです。ケント紙は線を残さず塗るようなトーンの付け方でも通ります。ザラザラした紙だと線をしっかり引かないとトーンが乗りませんね。ハッチングとは線を交差させながら密度を上げ、濃さの調節をする技法です。同じ方向を何発もかませて濃くするより合理的で、しかも線の方向があちらこちらに飛び交うので絵に活気が出ます。僕はてこの原理が好きです。頑張って力づくでなんとかしようとするのをダサく感じてしまうタイプです。より少ない力で大きな成果を上げる方がスマートで気持ち良い。
一番右のサンプルはティッシュでこすったものです。これは時短のための技法でもあります。線だけだとホワイトドットが残ってしまうことがあるので一度ティッシュでこすってから線でトーンをつけると安定感が出ます。ティッシュでこすりっぱで終わらすのはダメですよ。煙まいたみたいになるので最終層はしっかり線でトーンを乗せてください。

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鉛筆の持つグレースケールです。教室のデッサン用貸出画材のセットには7Hから8Bまでありますがその濃さを表したものです。2Bで薄いグレーを表現しようとする人がいますがこれダメですね。鉛筆は基本的に筆圧は同じがいいです。ゴルフのクラブ選びと同じ。筆圧を変えずに鉛筆の硬さを変える。なぜか。絵に統一感が出るから。

油彩や水彩などでもこの考えは影響してきます。例えば形も少し狂っているようなラフな感じの絵。全部がこのタッチで描かれた絵は成立します。しかし、その中に緻密に描かれたモチーフが一つでもあると他の部分は雑、あるいは未完成に見られてしまいます。なので絵の中の言語は統一しましょう。筆圧も然り。



鉛筆は難しい画材ですがH系統を使いこなすことが鍵になりそうです。鉛筆は使い慣れているは言え、7Hは字を書くときには使いませんよね。鉛筆デッサンの経験の少しある人でもH系統をあまり重要視していないように感じます。

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リンゴの形の取り方ですね。CHULAPO会員の皆さんは平気だと思いますが丸い物でも直線で形を取りにいくことでその精度は上がります。体験では来られる人には難しいのでここまで説明しませんがサンプルは一応載せています。ブロックインの応用ですが直線でプロポーションが合ってから曲線に変えるのが正確な形を取る手筋です。カーブの方向が変わるところで赤線を引いていますがなかなか見つけるのが難しいですよね。指導では言っていきますので曲線の変化を感じてください。僕は誰に教わるでもなくこの曲線の変化が見えたので形を取るときのヒントにしていました。

右側はハードエッジですね。最初の方に言いましたトーンの乗せ方が緩いのと直結してきますがハードエッジを作れない人が多いです。線が緩いからどこもソフトエッジになってしまう。ならハードエッジを意識しましょう。画面全体でキリッとしたところをよく観察して見つけるのです。「画面全体で」がキーワードです。あらゆる輪郭線を比較してキリッとしたところを探すのです。ハードエッジの描き方のコツですが一度輪郭線でしっかり線を引いてください。デッサンでは輪郭線が針金のように残るのは良しとされていないので濃い方に引っ張りながらトーンをつけましょう。

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上のサンプルは細かくなりますので少し省略します。左から2番目。球のシャドウのでき方を説明したものです。リンゴはだいたい球です。球が少し歪んで色がついて柄が入ったもの。それにヘタという付属品がついた感じですか。こういった頭でリンゴを観れると描きやすいです。固有名詞を忘れることは絵では大事です。まるで初めて見るもののようによく観察して描くことが全てかもしれません。見慣れたものでも光や周りにあるものでその観え方は変化します。なので見慣れたものでも初めて見るかのように観察する必要があるのです。僕が描くときは全くの無です。何も考えていません。たくさんデッサンするとこうなります。デッサンは基礎の習得ではなく、心の浄化。今ではそんな考え方になっています。

一番右は2点透視図法の説明です。全く絵を描いたことがない人にはハードルが高いので新・体験レッスンでは1点透視図法にしました。

体験レッスンでもかなりのことが学べる内容になっています。たかがリンゴと箱ですよ。
「家で練習するのに何描いたらいいですか?」と質問されることが多いです。もうお分かりですね。描く物はなんでもいいです。そこから何を学ぶかは本人次第。よく観察することで何を描いても学ぶものはあるのです。反対に描かないと学べません。

CHULAPOを始めてからずっと思っている疑問。体験レッスンって必要?
体験レッスンしないでご入会される方もいますが男気感じます。僕も体験してから決めることは今までなく、ここで学びたい、この先生に習いたいで決めてきたので体験の必要がなかったです。オープン当初、外国人の人が無料体験に来たことがありました。「なんでタダなの?」と聞かれました。「1回分はサービスだよ」と軽く流しましたがそりゃそうだよなと思いました。僕も海外の学校を色々見た経験がありますが海外の学校で体験レッスンなんてないんですよね。要はやるかやらないかなので。日本では当たり前なのでCHULAPOでも体験レッスンは採用していますがちょっと考えるところがあります。

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