人体も光で描く!

最近人物画の指導をどういった内容にしていこうか考えながら過ごしていいます。
よくソーセージみたいな人形を描いてから人間らしくしていく描き方とか頭部を丸から変形させていく描き方など紹介されますよね。
ちょっとしたポリシーがありましてあれはやりたいくないんです。
でもツールとしては教えるかもしれません。

おおもとに話を戻します。物は光があるから見えます。
あくまでもここはぶれてはいけないと思うのです。
光が当たったときの現象を描くので上記のツールのような描き方だと人物画で最も大切なリアルさが失われてしまう可能性があります。

auto_XPc0cd.jpg

光で観ることに集中したデッサンです。
より絵画的なアプローチです。

Artist:Pierre-Paul Prud'hon



解剖学から攻めるタイプの人もいますがこれも観るということから少しズレています。
彫刻をやるならいいと思いますけど絵はまた違いますね。

モノの観方(考え方)が違うと絵が変わります。
上手くなりたかったり、絵が好きだとたくさん描きますよね。
良い癖も悪い癖も勝手に腕に刷り込まれていきます。
どの路線が正しいかしっかりと見極めましょう。

ツールばかりに頼って描くとどことなく実在感がなかったりします。
観ることに限界を感じたら解剖学などを学ぶ方がスムーズかもしれません。

人体は見慣れているようで観えていません。
いつも見ているのでわかった気になっているだけで実際に描くと観えていないことに気付くことです。
見慣れている分だけ思い込みが強いので純粋に観ることへの反発が大きいです。
簡単に言うと自分の想像しているイメージと実際に観たモノとのズレが大きいのです。
生まれて初めて見るという感覚で人体を観るとたくさんの発見があります。

描くときは手、腕、肩などの固有名詞は全て忘れてくださいね。
こういったものは人がコミュニケーションを取るため作られたもので絵を描くときには必要ありません。
胴体みたいなものから細いものが伸びているだけです。
光が当たって何か不規則な形が見えているという感覚になれればシメタモノです。

描いている途中に不思議な隆起があったらなんだろうと思いますね。
そんなときは解剖学の本をカンニングしましょう。
座学より描きながら学んだ方が頭に入ります。

この記事を読んでわかる通り、私は観ると見るを使い分けています。
観る…能動的に(自分から)何かを観察するために観る
見る…受動的に(自分の意思とは関係なく)自然に目に入ってくる情報

ついでに物とモノも使い分けています。
物…実在するもの。コップや花瓶など。
モノ…抽象的な現象を含めたもの。例えば消える輪郭線や曖昧な境界線など。

自分からモノ観ることにとことん執着するとグングン上達します。
たまにはじっくり描くのも悪くないですよ!

コメント

  • プリュードンのこのドローイングは初めて見たとき意図が分からず、あまり良い絵だと思いませんでした。
    今改めて見てみると影の描写がとても美しいと思いますし、色々と考えさせられます。暗部を主役に据える意図があったのかなーとか…


  • Re:

    川田さん

    ブログをお読み頂きありがとうございます。
    稜線がとても綺麗なデッサンですよね。それに加えて人体の中心を流れる導線のカーブも女性らしい柔らかさがまた美しいです。
    アナログはやっぱり楽しいですよ!ハハハッ!



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