面切り!

油彩に限らず水彩でも一般的に使う筆が小さい印象を受けます。
はみ出すのが怖いという心理からでしょうか。
水彩では筆が塗れていると先が締まりますし、油彩の平筆やフィルバートでも割りと細かい仕事をしてくれます。

小さい筆を使うデメリットは多いものです。
水彩ではムラなりやすいですし、油彩でも無駄なタッチが残ったりします。
おまけに小さい筆だと絵具を含む量が少ないのでパレットとの往復が多くなります。
単純に制作時間も伸びます。

基本的には大きい筆で大きなブロックを構築していくのが手筋ですね。
あっという間に画面の足場ができます。
そのあと大ブロックの中に小ブロックを作るために筆を小さくしていきます。
足場を作ってから細かい仕事をしていきましょう。

始めから小さい筆で色に変化を加えながら塗っていく人が多いですがこれではトーンも色もグダグダになっていきます。
まずは大きなトーンパッチを作りましょう。
それはまるでトーンの違うパズルのピースがはめ込まれるようなイメージです。
おおきなモザイク状の色面ができるはずです。
その中でよりトーン変化の少ない仕事を丁寧にしていけばそんなに大崩れすることも減ると思います。
スペインではこの色面での構成をたくさん見ました。
面でとらえる文化が根付いているなという印象を受けました。
ただ大きな面をベタ塗りで塗っていくだけで絵になっていくのを観たときは不思議な感覚でした。

意外と大きな言語で描くのが苦手な人が多いですね。
大きな言語とはトーンの数が少ないということです。
明暗がしっかり分かれてハイライトがあればもう絵になるもんです。
イラストなどはそんなに多くのトーンを使っていませんね。

モチーフ内部の面のとらえ方についてテキストを作成するためにサンプルを描きました。
油彩です。平筆を使いました。

auto_K5UIlO.JPG

背景と床は一度ベタ塗りしたあとわずかにトーン変化を加えました。
洋ナシは丸い物ではなくカクカクした面のあるものとして観ています。こちらも一度ベタ塗りしたあとに一番明るい面を目指して段階的にトーンを上げただけです。



鉛筆デッサンばかりだと面で塗る感覚がつかめません。
鉛筆は1本の線にそこまでの責任はありませんね。
筆は違います。ポンと置いたひと筆が絵にトーンと色を与えてしまいます。
しっかりパレットで色を作ってから一筆を大切にして塗ってあげてください。
木炭に慣れていても腹でトーンをつける経験がないとしっくりこないかもしれません。
気になる方は試してみてくださいね。

念のため上のサンプル写真をモノクロにしてみました。

auto_dso2H3.JPG

木炭デッサンのようになります。



もっと細かく描き込みたいという方もいますよね。
上のサンプルの状態からカラ刷毛で優しく撫でてあげてください。
面の継ぎ目がなくなり綺麗なグラデーションになります。
そこから好きなだけ描き込みましょう。
特殊な細密描写は例外ですが細かく描く人もこの大きな面で塗っていくプロセスは通ります。
その過程のどこで区切ってみてもある程度絵として成立しているのが理想だと思います。

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