ブロックイン パートⅡ

以前ブロックインについてひと記事書きました。
少しわかりにくかったかなと思います。
今回は簡単なモチーフを木炭でデモしてみました。

モノの形を正確に取るには傾きへの感覚をレベルアップする必要があります。形を取るために長さを測る方法がありますが、四切サイズ(38×54)以下ではほぼ役に立ちません。ほんの数センチの差異をいくら測ってもなかなかしっくりこないと思います。
そこでおススメなのが傾きをメインで形を取るブロックインという方法でです。

画像の説明



1. 大外の点でおおまかに形を取る
一番外の目安になりそうなところで傾きを測り、点を打っていきます。まずは足首、台座の角が基準になると思います。
そのあと大きな形の変わり目にも点を打ち、長い直線で結んでいきます。
この画像ではわかりにくいですが、私の描き始めはほぼ点だけです。
※日本で木炭を使うときは「調子(トーン)を乗せながら形を取っていくんだ!」と教えているようですが私は点だけです。スペインで「紙の白を汚すな!」と教え込まれました。私の経験からも紙はクリーンなままがいいと思うので極力紙を汚さないようにしています。慣れると点を打つだけで線が透けて見えるようになります。

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2-1. さらに細かい形の変わり目で直線の方向を変える
1で引いた長い輪郭線を細分化していきます。一見一本に見える線も微妙に方向を変えたりしているので見落とさないようにしましょう。
2-2. 明暗境界線と内部の面を意識した線を軽く入れる
丸いものも面としてとらえることが大切です。面としてとらえることで
繊細なトーン変化をつかみやすくなります。面の向きが変わるとトー
ンも変化します。まずは面でトーンをしっかり把握してから面同士の
継ぎ目を滑らかにするといいと思います。明暗境界線は輪郭を取る
ときと同じ注意力でよく観察してください。光の方向と面の向きを意
識するとわかりやすいです。※白いモチーフの明部に強い線を引くと
汚れてしまうので気をつけましょう。

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3. トーンを乗せる
形が取れたらトーンをつけ始めましょう。背景にトーンをつけるときも
輪郭線のキワからが基本です。3までで7割の形が取れたと思ってください。トーンをつけながらさらに細かい形の微調整をして10割の形を目指してください。明暗を上手くとらえると輪郭を取ったときよりモチーフが大きく見えてきます。特に白いものは太く見える傾向にあるので形の修正は続けてください。ブロックインは傾きに集中するため直線で形を取っていきますがここのセクションでその直線を曲線に変えます。このあとのプロセスは明部のボリューム表現と描き込みです。

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