画材の線引きって何?

油彩も水彩もパステルも画材として分けられています。
ただ根っこの部分は同じで顔料、染料をなにでこねて画面に定着させるかだけです。
詳しい内容はここでは省きますがものすごく大きな目で見ればどれも兄弟みたいなものです。
会員さんを見てて思うのは画材のチョイスは性格の気質によるところが大きいという印象です。
日本人には水彩が向いているなと思います。油彩はアクが強いのでやはりオリーブオイルを使っている欧米向きかもしれません。我々はわび・さびの文化、出汁のように繊細な味がフィットします。なので水彩人口が多いのかなとの予想です。

私は西洋絵画に憧れ、夢中になって西洋人みたいに描きたいとたくさん勉強しました。変な刷り込みが入ると危惧して日本人画家の描いた本は意識して読みませんでした。辞書を引きながらでも洋書です。
スペイン修行中に言われたことがあります。「君は西洋人みたいなデッサンだな!」と。
日本には洋画というジャンルがありますが、私は西洋絵画を目指していたのでそのときは嬉しかったです。

話がそれてしまいましたね。個人的に画材の線引きはしていません。画面にダメージを与えなければ何してもオッケーな感覚です。
極端な例ですが、紙に油彩はダメですね。いつか紙がボロボロになってしまいます。

下の絵は過去の入選作品です。コンクールが嫌いなので出品しませんがなんとなく気分で出してみました。
私は基本的に絵を見せるのも嫌なので個展もしません。こういった経緯から私の画歴は質素です。
画材の話ですね。この絵で使用した画材は油彩、アクリル、水彩、木炭、鉛筆、パステルです。
一見めちゃくちゃですが、油彩の溶剤使いまくりの絵より保存状態はいいと思います。
なんでこんなに画材を使ったかというと、そこを描いてる瞬間に必要な画材を直感で使いたくなったからです。
「画材はこれ使ってみよー!」からではなく、表現したいことに対して必要な画材が反応しただけです。

画像の説明



画材、テクニックが先行すると絵を描くことの本当の喜びを感じにくくなってしまいます。
新しい画材や知らない道具を使うとそれなりに楽しいかも知れません。
しかし純粋に絵を描くことに没頭するともっと楽しいです。
物質的ではなく心で戯れてください。

スペインでデッサンに没頭した結果、画材の線引きの概念がなくなりました。
デッサンは眼を鍛えるもの。観えたものを表現するのに画材にこだわっていられません。
一通りの画材を手に馴染ませるには根気がいるかもしれません。
しかし私は絵で努力したことはありません。その全てが楽しかったからです。
皆さんも絵を楽しんでください。

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