シャドウの中が気になる!

シャドウ内を見えている以上に描きすぎてしまうケースが多いです。シャドウはあくまで直接光が当たらないエリアです。そこは明るく見えていても反射光で照らされているにすぎません。
シャドウの中はしっとり静かな場所です。

ゲシュタルト崩壊
ゲシュタルト崩壊(ゲシュタルトほうかい、独: Gestaltzerfall)とは、知覚における現象のひとつ。 全体性を持ったまとまりのある構造(Gestalt, 形態)から全体性が失われてしまい、個々の構成部分にバラバラに切り離して認識し直されてしまう現象をいう。
Wikipediaから抜粋
例えば同じ漢字ばかり見ているとこんな漢字だったか訳がわからなくなるなど。絵でもありますよね。何回描き直しても形が変に見えてしまうとき。一度ゆっくりコーヒーを飲みましょう。

基本的な考えとしては・・・・・トーン、色やテクスチャの情報量の関係は明部>シャドウ

(例外1)稀にシャドウの方が彩度が高い(色が鮮やか)場合があります。原色に近いモノに当たった反射光は注意してください。
(例外2)風景画で見られるパターンですが、明部に眩しいほどの光が当たっていてシャドウにほどよい反射光が入っている場合はシャドウ内の方がよく見えたりします。

ちょっとしたコツ!
明暗を大きく分けたら明部をある程度仕上げてからシャドウに戻った方が効率的です。
早い段階でシャドウ内をガリガリ描き込んでしまうと明部の見せ場が目立たなくなってしまいます。

●「シャドウの濃さ」よりまずは「シャドウの形」に集中しましょう!

シャドウ内のトーン変化よりまずシャドウの形を正確に取りましょう。
シャドウの形がおかしいと立体感が崩れますし、モチーフの形も違和感が出てしまいます。
「この辺がカゲだろう」となんとなくトーンをつけるのではなく、「ここからここがカゲ」とモノの輪郭を取るのと同じ注意力で観察しましょう。シャドウ内の濃さの違いは次の仕事です。



以上はモノの内部のシャドウについてでしたが、投影されたシャドウのこともお話します。

画像の説明

・投影されたカゲの特徴1
カゲの始点はくっきり、そこからエッジが弱くなる。

左の写真を見てください。旗のついたポールのカゲです。写真の上の方にポールが立っています。ポールの根に近い部分はカゲがくっきりしていますがポールから離れるに従ってカゲがぼやけています。ここではポールの例でしたが静物でも風景でも同じことです。


画像の説明

・投影されたカゲの特徴2
カゲは下にあるモノによって形を変える。

左の写真は砂浜の人影です。砂浜の凹凸に沿ってカゲが歪んでいるのがわかります。



この二つの特徴をよく観察することでより「カゲっぽく」なると思います。

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