上達するためのコツ

・たくさん技法書を読んだのになかなか上達しない
・上手な人の真似をしてもその人のように描けるようにならない
・見たものを思い通りに描けずストレスを感じる

これらのことに共通していることは観察することに主眼が置かれていないことです。
絵が上達すること=絵を描くテクニックを磨く


なぜ描き方を学んでも上達しないのか?

例えば木の描き方を教わったとします。描き方を教えてもらった木はあくまでその状況でのことです。他の絵を描いているときもその描き方が通用するとは限りません。今描こうとしている木とは全く別物だからです。当たり前すぎて気付かない方が多いですが意外と盲点なのがここです。同じ木と呼ばれるものでもその形、その色、その光の環境はその状況によって変わります。

同じなのは、「木」という大きくジャンル分けされた言葉だけです。見たもの全てを一つの描き方で仕上げられるパーフェクトなテクニックはありません。

上達のために何が必要?

観察力です。観察力があれば状況が変化したとしても自信を持って描けるようになります。教室ではこの観察力を高めるための指導に重点を置きます。

観察力はどうやって身に付ける?

デッサンです。デッサンと言っても美大受験とはイメージが違います。簡単なスケッチでも何かを観察してとらえようとしたなら立派なデッサンに含まれます。スペインでは絵が好きな人は小さなスケッチブックとペンをいつもカバンに入れて持ち歩いています。そして、カフェテリアにいても散歩しているときも気に入ったものを気兼ねなくスケッチします。デッサンはとても身近な存在です。その積み重ねはいずれ大きな力となります。

観察するときの注意点は?

光があるからモノが見えます。光がなければ何も見えません。つまり、光の現象を理解することがそのままモノを観察することになります。光の考察により、今まで見えていなかった(気付いていなかった)モノの形、色など様々なものが見えてきます。

自分の観察力に自信が持てるようになると心にオリジナルのフィルターが構築されます。このフィルターにはご自身の価値観や人生観が刷り込まれています。
まさにこれまで育まれた美意識の集大成。
デッサンを繰り返すことで心の奥底に眠っていた美意識が表面化してきます。こうしてオリジナルフィルターを通して描かれた絵には自然と個性が出てくるでしょう。

やはりデッサンしないとダメ?

当教室では無理にデッサンを強要しません。ただ最初にデッサンをしておいた方が相対的に上達するスピードは早いと思います。また油彩や水彩ばかりでなかなか上達を感じられない方でも一度デッサンを見直すことで問題が解決することが多々あります。
「デッサンはちょっとやりたくないなぁ!」という方には違う方法で観察力を高めるアプローチでお教えしたいと思います。