油彩の手順1

最近ちょっとお疲れ気味の主宰者ですが頑張ってブログ書きます。教室の運営、通信教育、自分の絵の修行でけっこう時間がない感じです。たまにはグデーッとしたい気もしますが上達する予感がするので色々と研究もしています。上達するときはタイミングが大事なので他のことそっちのけで没頭したいところです。

今回の記事からしばらく油彩の手順についての連載になると思います。なんとなく油彩は描いているがこの制作プロセスでいいのかなーと感じている人も多いらしいですね。描き方のシナリオはたくさん引き出しを持っていた方がいいと思います。そしてその引き出しが自然と使えるようになるまでたくさん描くこと。頭でチョイスしても描いていてしっくりくることは少ないと思います。

過去の記事からのサンプルで失礼しますが復習も兼ねて割と一般的にされている手順をご紹介します。

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バーントアンバーで下塗りしました。その目的は形を取ること、そしてモチーフのトーン(明度)を合わせることです。いきなりカラーから入ってもいいのですが色とトーンを一度に合わせるのはビギナーにはなかなか難しい仕事です。仕事の分担作業をして効率、精度を上げようという作戦ですね。このセクションでは白絵具は使いませんが(技法によっては使う)、要領は木炭デッサンと同じです。見てお分かりのように線で形は出していませんので木炭デッサンの領域です。油彩上手くなりたかったら木炭デッサンした方がいいですよ。あきれるぐらいに。白絵具を使いませんので明るいところの回復はワイプアウトになります。ということは透明水彩の要素も入っていますね。そうか。木炭デッサンと透明水彩が達者になれば油彩も遜色なく扱える!?これは多分正論ではないかと思います。
このセクションでは絵具を薄めて濃淡だけの構成なので一般的なペインティングオイルだけでは油まみれになります。テレピンに少しオイルを足す自作ペインティングオイルがお薦めです。
この制作プロセスには偉大なメリットがあります。それはデッサン力も養えて油彩を学べる点です。余程絵が好きか、時間がある人でないと油彩を始めたらデッサンはおろそかになります。デッサンはとても大切で基礎的な部分はやって当たり前、極端どうでもよくて、さらにその上の美意識の向上、そこからご自分の表現の感覚を磨く作業でもあると思います。イラスト系を目指す人が増えていますがネットの普及でアプローチしやすい分、競争率も上がっていますね。寝る間も惜しんで努力する必要があるのかなと思います。辛い努力なんだけど楽しいって感覚になるとどんどん向上していきますね。

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完成です。背景は下塗りのままですがサンプルなので。ここでやったことは実際の彩色です。下塗りでのトーンがあっていればそれを色に変換してやればいいだけですね。下塗りで作った同じトーンの色を塗る。デッサンはとてもいいのに色使うとあれ?ってなる人はデッサンに偏り過ぎかもしれません。デッサンは色、それに付随した彩度や色温度を考えないでいいのですがペインティングではその辺をクリアしないといけません。
このサンプルの肌色はベーストーンとしては暖色ですが要所で青紫を入れています。指し色とでもいいましょうか。絵の序盤で色を点在させる人が多いですが濁ることが多いです。やっていけないことはないですが。キャンバス上での混色技術、または絵具を置くタッチができるようになるとそんなに濁りません。もし絵が濁ってしまうと感じている人は色遊び、色の倒置は後半にした方が絵が汚れません。絵のベースができて味付けするような感覚で色を置くといいと思います。

簡単ではありますがこれは油彩の一つの描き方です。簡潔に言いますと「モノクロデッサンで形とトーンをしっかり作る、そしてそれを基準に色に変換する」です。
サンプルでは人物画になりましたがどんなモチーフでも基本原理は同じです。

皆さんコンテはお好きですか。コンテって微妙な立ち位置にいる画材ですが最近やたらと興味が湧いてコンテ・ア・パリの全色を購入しました。改めてという感じですが画材を深く理解することでまた何か発見がありそうです。この画材はこういう使い方がいいとか浅いものではなくもう少し深く。日々の生活でもなんとなく見過ごしていること多くありますよね。いつも見慣れた風景でも落ち着いて見たら何か気付きがあってより美しく見えるような感覚。画材も頭ではなくじっくりと体と手で感じて楽しむ。

明日も朝イチから修行です。。。

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