自分の向上を楽しむ

梅雨明け万歳!
夏が嫌いな人は多いですが僕は好きです。冬から春への暖かさを感じる瞬間も好きですが開放的な夏からしっとりと秋に入り、ホッとしながら絵を描くのがなんとも心地良い。

僕は将棋界のスーパースター羽生さんのファンですがYoutubeで素敵な言葉を使っていました。
玲瓏(れいろう)…玉や宝石などが美しく輝き、お互いが触れ合い冴え冴えするような音を奏でる様子
風鈴のような感覚ですね。最近、風鈴の音を聞くことも少なくなりましたが日本人の心には響くものです。海外に出てから和の良さを感じるようになりました。男女平等になりつつあるこの時代ですが大和撫子のような慎ましい所作やゆったりとした振る舞いはやはり美しいですね。

先日、絵を描いていたときに感じたことがありました。まぁ今もまだまだ下手クソで上手く描けないときはもちろんありますがこの難題を一生かけて解決していくことはかなりハードな選択をしたことを改めて実感しました。多分課題は尽きないのでこのままずっと続くでしょう。それが辛いのか、楽しくてやっているか、もうわかりませんが。

油彩の塗りについて少し。アラプリマ以外での描き始めは厚塗りさせないように指導しています。しかしその弊害として最終層になるであろうところも薄塗りになってしまう人が多いです。下のサンプルをご覧ください。

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左が薄塗り(あまり絵具を含んでいない筆で塗ったもの)、右は厚塗り(たっぷり絵具を含んだ筆で塗ったもの)です。
アラプリマ以外では仕上げ塗りの前にすでに何かしらの色が置いてあると思います。塗りが弱いとサンプルの左のように下の色が透けて本来の色、発色が出ません。下の色と視覚的に合わさって黄緑にすら見えてしまいます。
油彩は非吸収性(油分を吸わない)のキャンバスが好まれますがなぜでしょう。水彩は絵具が紙の中に入っていく画材、油彩は絵具をキャンバスの上に置く画材。この違いを意識すると油彩を扱いやすくなります。絵具について他にもありますがCHULAPO通信で生徒さんにお配りするので楽しみにしていてください。

僕の作業場に貼ってあるカラーチャートをお見せします。

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自分で作って1210色あります。このチャートを参考にしながら描いています。補色どうしが1対1で混色されると黒に近い色になってしまうので7対3くらいで混ぜて作りました。黄色は色が派生する幅が大きい。赤系の色は他の色が混ざってもその母体の色が変化しにくい。僕は誰よりも上手くなりたいから作りましたが体感してやっと気が付けるものですね。今は思い出せませんが他にも学んだことはあります。きっと描いているときに神様が思い出させてくれるでしょう。このカラーチャートは1色×1色の混色なので不充分ですがこれらの混色にあと1色混ぜると観たモチーフの色にかなり近づけそうです。
とことん色と向き合うのは楽しいです。カラーチャートでは単体でしか色を把握できませんが絵の中では下の色、周りの色で色の観え方が変化します。パレットで色を合わせて塗ってみたら違和感があるときは周りの色と相談してみてください。使い捨ての白いパレットを使っている人は特に気を付けましょう。木製のパレットも然りですね。木は暖色なので寒色の中に色を塗るときに色温度が高くなり過ぎたり。
デッサンもそうですが色についてもけっこうやり込まないとダメそうですね。隣でいつも褒めてくれる人がいればできる人は多そうですが、絵の努力って大体人が見てないところでやらないといけないのでメンタルの強さ、向上心がカギです。全て僕自身に言っていることなので皆さんはそこまでやり込まなくても大丈夫です。伸び伸び楽しく描いてくださいね。

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ハングリー精神が必要なときは留学時代の絵を見返します。この木炭デッサンは美術学校で描きましたがとあるチョンボで先生に怒られました。そのチョンボも知っててやっているので仕方がない。
チョンボって描ける人から見るとバレちゃうんですよね。社交辞令で見て見ぬ振りするのも大人の優しさかもしれませんが本人のためにならないときは嫌われてもいいのでつっつくようにしています。
僕の指導は枚数重視にしていますがたまにはじっくり最後まで描き切ってくださいね。観察力の限界を超えるとまた見える世界が変わってきます。せっかちはダメ~。



最近また解決しないといけない問題を見つけてしまったので時間なく雑文失礼しました。Chao!

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