Yellow Pansy

休業から再開して一週間が終わりました。
まだお会いできていない生徒さんもいらっしゃいますが皆さん楽しみそうな顔して教室に来てくれて嬉しかったです。生徒さんが帰ってからシュッシュシュッシュと消毒。クラスもなるべく人数をまんべんなく平均化して混雑を避けています。

休業中に少し光について考えました。今も研究しています。
色を使うときに光の色を攻略しないと色がコントロールできないんですよね。物が見えるということは何かしらの光源があるわけですがこれの種類がけっこう豊富なんです。
大きく自然光(太陽光とスカイライト)と人工光(電球や蛍光灯など)に分かれます。例えば自然光でも時間によってかなり色の変化が起こります。人工光も光源の色がいくつかあります。
僕はモチーフの色を観察する前に光源の色をチェックします。言ってしまえば光源の色でモチーフの色は変化するわけですからその前段で光源の色をしっかり把握しないといけないと思うのです。
チェックの仕方は簡単で真っ白いコピー用紙を光源の光に当てるだけです。
色についての思い込みも厄介で「リンゴのヘタは茶色だろう」など。
観察には疑ってかかる。リンゴのヘタが茶色だと思っていると茶色以外の色を見逃してしまいます。
パレットにいる時間は長く。早く描ける人が上手いわけではない。
油彩は時間を優雅に使えるところがいい。できるだけ私生活で無駄なことを断捨離してパレットで絵具をこねる。

最近アカデミック的な一点灯を意識しないようにしました。色に比重を置くとどうしてももう少しフラットな光源の方が描きやすい。見える色が多くなってスリリング。

家の玄関に飾ってあった黄色いパンジーを描きました。枯れそうだったのでスマホでパシャッと。「綺麗だな」と思ったときがチャンスです。子供のようにスッと描き始める。
家には木枠に張ってないキャンバスがあるので適当に1枚ピックアップ。何枚かキャンバスをストックしておいて暇なとき下地作っておくと面白いですよ。その絵にあった下地色なりテクスチャなりを選んで描き始める。

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サイズはF4です。小学生が描いたような下描きですね。
最近下描きがめんどくさいのでこんな感じばかりです。
キャンバスの下の方に少し塗り残しがありますが市販で売られているキャンバスは意外と生クリーム色です。真っ白なキャンバスに想いを描く。真っ白じゃない!本当の白を下地にほしかったら下地材を塗りましょう。


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描き始めから序盤です。
何を考えてこういうアプローチになったかわかりません。まぁ描き方なんてないんで。。。
これ以上乱暴にいくと取り返しのつかないことになるラインだけはわかっているつもりです。
黄色のパンジーのカゲ色は背景の紫を拝借しています。ちょうど良く補色だったので頂きました。キャンバス上で混ぜちゃえ!って感覚です。


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完成です。パンジーの明るい部分はナイフペインティングです。小さいナイフでちょいちょいと。
前のセクションは透明層ですがここで不透明の塗りが追加されていきます。どこを不透明に塗るかを理解するにはデッサン力が大きいと思いますが僕は感覚を大切にしています。どこに物の実在感を感じるか。初心者だった頃からデッサンで透明か不透明かを考えながら描いていたので自然に身に付いたのかな。



これは僕の考えですが油彩は厚塗りだから不透明という考えだと画面全体が重くなって呼吸するところがありません。メリハリもなくせっかく油彩の持つパンチ力や物質感の効果を半減させてしまうような気がするのです。もちろん全面不透明な油彩も描くと思いますがそれはレパートリー。本筋ではこんな考え方で油彩を使っています。

「絵具が乗らない」とたまに生徒さんに言われます。特にナイロンなどの柔らかい筆だと筆に絵具を盛りにくいので絵具が乗らないとなりますね。今回のようにナイフを使えば乗るのですが筆でも方法はあります。単純に豚毛のような硬い筆に絵具をモリモリつけるのも一つです。僕はナイフで混色したら絵具溜まりを作ります。それを筆ですくい上げて塗ることも多いです。絵具を筆に含ませるのではなく、筆に盛る。これなら筆の先の方にしか絵具はつきませんし、コスパもいいと思います。あとキャンバスに対して筆を水平にして塗るのもコツです。キャンバスに垂直にタッチするとそこだけにほとんど絵具がついてしまいます。

今月から教室の時間割りが変更になりました。
木と金の午前クラスをカットして水曜の14時クラスと夜クラスが開講です。1日3コマが体力的に厳しくなり変更に至ったわけですがご迷惑お掛けしました。今週がその時間割りでの初めての週となりましたがかなり負担が軽減されました。ありがとうございます。やはりその日の疲れはその日のうちにですね。

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