環境光について

室内で描くときはいくつか光源があることが多いです。もしモチーフを何かの照明で照らしている場合はそれが主光源になります。チュラポではアームライトがそれに当たります。絵を描くときは主光源がメインになりますがその他の光も介入してきます。窓からは太陽光、もちろん天井の蛍光灯の光もモチーフを照らします。主光源の勢力が強いですがこうした2次的な光も影響してきますね。
僕は光を学ぶにはやはり外で描くのがベストかなと思います。完全な一点灯ですし、自然が発するものはやはり心地良いです。アームライトで照らすのは絵の基礎を理解するのにとても役立ちますがナチュラルさを欠くデメリットもあります。アトリエなら東向きの壁を全てガラス窓にして自然光で描けるのが理想かな。

環境光の考察のために描いてみました。
主光源は暖色、電球色としましょう。もし仮に他に青っぽい色(寒色)の照明が少し遠くにあったら。これが環境光です。
明部は主光源が直接当たるので暖色グループ。シャドウは主光源が直接当たらないエリアなので環境光の影響が強くなります。
こんな感じになりました。

nude2_2.JPG

モノクロ写真を使って描きましたので色は全て僕の加工です。
描き方ですが背景の色を人体のシャドウにも同じように塗りました。色は結局のところ光の色です。光の色に対して柔軟に対応していく。肌色がわからない人は肌色を作ろうとしているからです。肌色の定義がないとすると何色で塗ってもいいことになります。自由ですね。こうなると肌色作りのストレスから解放されます。

nude2_3.JPG

モノクロ変換してみました。バサバサ描いたような絵が好きな人が多いですが鉛筆デッサンで小綺麗に描いているだけでは大胆な描き方はできません。木炭スケッチが効果的だと思います。何が描いてあるかわからなくても勢いでバサバサ描いてみてください。少しきっかけが掴めるかもしれません。

右腕はわざと描かないようにしました。絵って説明しすぎると窮屈になりますよね。鑑賞者に想像する余白も設けるような絵を心掛けています。あとよく見えないところは細かく描かない。よく見えないものは無理して描かなくていいです。人間ってよく見えないものをそれが何だか、どうなっているのか探ろうとしますよね。絵を描くときこれはダメです。あるがまま描くのが正しい姿勢。

戦時中でも平然と絵を描いていた巨匠達。すごいメンタリティですね。どんな状況でも前向きに楽しくいきましょう。

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