油彩の描き始めにすること

今日はのんびり絵を描いていました。油彩の描き始めについて書いていきたいと思います。

基本的にアラプリマで描きますがゆったり描きたいときもあるわけで。いつもアラプリマで描いていると乾いてから2層目ができるとものすごく簡単に感じます。アラプリマとは言え、乾燥の早い絵具は動かなくなってしまうので家族はご飯の時間もお風呂の時間も僕が優先になります。感謝!
ビオラが綺麗だと言ったらママが買ってきてくれたので描いてます。遠回しに描けと言っていますね。。。家にたくさん絵が転がっていますが母はあげたくなるらしくダメだと言って止めています。
描き始めの段階ですがお見せします。

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下描きしないでいきなり描きました。最近、全ての形を取ってから塗るのがつまらなくて(しっかりした理由がありますが)なるべく身動きの取りやすいアプローチにしています。
皆さん描き始める前に焦点は決めていますか。これとっても大事な仕事。漠然と描き始めてはダメですよ。焦点をまず決めること。今回のモチーフでは真ん中左やや下のビオラが焦点です。そこから広がるように描きました。

M6サイズに仕上げる予定です。

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構図はこんな感じになりますね。額縁をオーダーで作れればもう少し上下の空間を狭くしたいですがまぁいいでしょう。焦点のビオラから半時計回りに右のビオラまで行って終了です。絵の中で鑑賞者の視線を動かすことをフォロースルーと言いますが面白い遊びです。
僕は描き始めるまでにすごい時間を使います。ここまで描くのに4、5時間。考えている時間は1時間はあると思います。何を考えていたか。

○焦点(真ん中左やや下のビオラ)がしっかり決まっていることで絵の狙いができる
焦点と周りのものとの間にトーン差をつける(トーンコントラスト)
焦点は他の部分よりしっかり描き込むこと
焦点をある程度仕上げてしまえば他の部分の描き込みの調整ができる。(他の部分は焦点より描き込みを弱くする)かなり慣れている人以外はこの描き方はやめた方がいいです。
焦点は紫なのでマザーカラー(画面を支配する色)は黄色がいい
紫の補色は黄色(紫をより綺麗に魅せる色)
ビオラと葉以外はほぼ黄色ですね。茶色ではないです。黄色が濁った色です。彩度が下がった黄色。全ては焦点の紫が綺麗に見える状態にしてあげることが序盤にしたことです。

焦点を生かすための方針が決まったら心地良くゆったり描きましょう。あとは自然と事が流れていきます。もっと美しくなれと口ずさみながら描くと美しい絵になります。絶対にモチーフに文句を言ってはいけません。美しい絵にならなかったのは全て自分の責任。

○ホワイト絵具について
チュラポではホワイトは極力使わないように指導しています。その理由は以下の二つです。

白絵具を混ぜると彩度が下がる
白絵具を不必要に混ぜると霧の中のような絵になる(デッドレイヤー)
白絵具が画面全体に広がるとモアーッとしてきます。これをデッドレイヤーと言います。これが悪いわけではありませんが修復する術を身に付けないといけません。説明すると長くなりますので省略しますがこのような理由から白絵具は必要最小限だけ使うように言っています。

○これらを体得したあとにすること。
白絵具を特性を理解して上で意図的に使う必要が出てきます。白絵具の特性の一つとして例えば白を混ぜると色は寒色化します。また白絵具を混ぜないと色が生っぽすぎるなど。他にもありますがこんなところで。ちょっと難しすぎるのでやめときます。

真面目な人はデッサンすれば上手くなると思いがちですが色もそれと同じぐらい学ぶことがあります。バランス良くいきましょう。

ビオラの絵をいいなぁと思った人に。
木炭デッサンと色を勉強した方がいいです。鉛筆デッサンではなく、木炭デッサン。なるべく最短距離で油彩が上手くなりたかったら木炭デッサンです。色も気合いで勉強すればいい線いきます。自分に色彩感覚があるかないかを決めるのはそのあとですね。

絵を描いたあと眠くなりますね。癒されます。皆さんはこの感覚もう味わっていますか。僕は何回もこの感覚で救われています。
レッスン中はしごいてでも上手くさせたいと思っていますがそれが絵を描く全てではないと思っています。絵を通じて幸せな時間を過ごしてほしいです。

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