ナイフペインティング!

チュラポの油彩率が上がってきましたね。潜在的に油彩をやりたい生徒さんはやはり多いですね。どんどんやってしまっていいと思います。ベタですけど何事もやらないとわからん。人から聞いた話もネットの情報もやらないとわからん。

最近気付いたこと。(当たり前なことです)
描く枚数>知識

この状態で絵を描けるのが理想かなと思います。絵は答えがなく、雲の中をさまよっているような感じですので手探りの中で自分の答えを見つけなくてはいけません。※基礎的な部分での答えはあります。ここでは作品、自分を表現するという意味です。

僕が一生懸命説明してもわからないときは枚数不足です。
なんでも経験がないことは説明されてもわからないですよね。特に失敗の経験がないと。生徒さんの絵をいつも見ていますが描き始めのアプローチで上手く描けるかどうかだいたいわかります。失敗するだろう方向に進んでもわざとアドバイスしないで描き進めるようにしています。失敗はとてもいい。失敗するだろう方向の途中で僕の意見を入れてしまうと個性も育まれませんから。先にいった「失敗するだろう方向」も僕の中での失敗なのでその人にとっては成功になるかもしれない。生徒さんの絵が先生の絵に似る現象はよくありますが先生の成功を全てだと思ってはいけないような気がします。そもそも絵に正解はないので。という考えが基盤にあるのでチュラポ展は個性豊かな作品が並ぶのかなとも思います。

ナイフペインティングの話をしましょう。ペインティングナイフの使い方がわからないという質問を受けます。崇拝する御爺様の教えだと「何週間か筆で描かないでペインティングナイフだけで描きなさい」です。僕はこの意見に100%同意です。絵で遊ぶんです。たくさん遊んだ経験があれば指導もスッと入ってきます。子供の頃、泥遊びしましたね。その感覚でいいです。ナイフペインティングは絵具の消耗が激しいです。とその前に絵具は消耗品です。ケチると良いことは一つもない。これは筆で描くときも同じです。絵具はどんどん使いましょう。絵具の消耗が気になる人はカドミウム系をパーマネント系に変えるとかヒューを使うなりして伸び伸び描いてください。僕は油彩に慣れるまではヒューでいいと思います。色が違うとかありますがビギナーにはその繊細な色分けがわかりません。そんなことより遠慮なくたくさん描ける、絵具で遊べる環境を作るべきだと思います。

1日3コマレッスンがありますがこれけっこうきついです。パソコンの前にいるのもしんどいですが一番描きたい人間が楽しそうに描いている生徒さんを見ているのは拷問に近いものがあります。ということでレッスン中も少ーし描かせてもらってます。描いているとこ見たかったら見ていいですよ。僕が描いていても遠慮なく質問してください。

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SM(サムホールというサイズ)です。ナイフだけで描きました。
ペインティングナイフにも様々な形状があって色々な表現が可能ですが僕はあまりそこにはこだわっていません。というかどうでもいいです。そういった技法にこだわると嘘っぽい、わざとらしい絵になるので嫌いなんです。そう考えると指で塗りたくっても面白いでしょう。(finger painting)
僕が思うナイフペインティングのコツは「上手く塗れなかったとしてもそれも神様が与えてくれた偶然だと思うこと」です。ナイフで塗って上手くいかないと直したくなりますが我慢した方がいいです。その失敗も偶然が与えてくれたもの。か、自分が未熟だったか。
あと気を付けているとすればファットオーバーリーンの原則です。これは上に乗る絵具が下の層の絵具より油分を多く含ませることです。要は厚く塗った上に薄い絵具を重ねないことになります。この原則を破ると早々に割れたり、剥がれたり。保存ということを無視して技法に走ったり、絵のダメージになる溶剤の使用を極力避けたいと思っています。好きに描いて売るだけではまだアマチュアなような気がして。プロとして絵を買ってくださった方へのせめてもの礼儀。できるだけ永く買ってくださった状態で飾っていただきたい。

色々お話しましたがナイフで描こうがシャバシャバの薄い絵だろうが油絵具で描けばそれは油絵です。絵は自由。ネッチョリ塗りたかったらそうすればいいですし、水彩っぽくサラッと終わらせたかったらそうすればいいのです。問題は描く絵ではなく、対象と自分の感情。右脳全開、心を開いて感情豊かに描きましょう。明日も絵が描けることに感謝。

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