見えない構図を解読する

前回記事で少し構図に触れましたもう少し踏み込んでいきたいと思います。

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街中の風景。共有サイトからピックアップした写真なのでこなれた人が取った写真でしょう。僕が見つけた構図を以下説明していきます。自転車に乗った人と信号待ちしている車が焦点エリアとして読んでいただけると理解がスムーズです。


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少し経験がある人ならすぐわかると思いますが1点透視図法ですね。黄色のパースラインがその証拠です。1点透視図法とは1点に全てのラインが収束する遠近法です。知らなかった人は気にしながら風景画を見るとけっこう使われていることに気付くと思います。


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三分割法。黄色のラインが画面を縦横三分割したものです。この交わったところに焦点があるとおさまりがいいということです。画面に対角線を引くと真ん中が見つかるのでそこを外せとよく言われることの逆説ですね。


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僕はO(オー)構図の一部として認識していますがトンネル構図です。丸く囲まれたところは視線を誘導しやすいのでこれもよく使われるものです。1点透視図法も消失点に視線がいきやすくなりますのでそれとの合わせ技といったところでしょうか。


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描き込みの強弱も構図の一種として考えています。黄色の丸で囲まれた部分が焦点エリア。赤丸で囲まれたところは僕は描き込みを弱くします。



なぜか?
焦点と離れているから。人間の眼は1点しか見れないのでそこから離れるにつれてぼやけていきます。絵は視点を移動しながら描けるのでどこもかしこも細かく描けます。しかしどうでしょう。鑑賞者はそんな観方をしません。焦点を見たときに心地良いかどうかです。焦点以外がざわざわ無駄に細かく描かれていたら気持ち悪く感じるでしょう。人間の普段見えている環境と違うから。

絵は知識と感覚の融合だと思っています。感覚だけの人はいつか頭打ちになりますし、知識優先だと絵に面白味がなかったり。何事もバランスですね。相対的なバランス。偏るとバランスが崩れます。ご自分は今どちらに偏っているか考えてみるのも面白いかもしれません。

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