構図についての前触れ
絵は限られた四角の中で見えた物、感じたことを表現するフィールドです。
絵を描く=物を描く
モチーフを一生懸命描くだけでいいわけではなく、与えられたフィールドを限界まで利用してあげましょう。
つまり良い絵に仕上げるには物の描き込みよりまずはどういう雰囲気の絵にするかなどの狙い、絵作りが必要になります。その一つの要素として構図があります。
僕は描き始める前にかなり時間をかけます。数センチでも物がズレると絵が変わってしまうのでけっこう神経使うところなのです。
〇構図とは?
人間の目はだいたい180度のパノラマで見えています。そのうちのどこを切り取って絵にするかが構図の第一歩になります。この切り取る作業をトリミングと言います。写真を使って描くときも本来はご自分でトリミングして描いた方がより狙いを持った作品になります。教室では紙におさまるようにモチーフをセットしているので悩むことがないかもしれませんが日常生活でもどこをトリミングして絵にしようか考えるのも楽しいです。デスケルが売ってますね。四角い窓です。わからない人はグーグルさんに頼んで教えてもらいましょう。デスケルで世界を切り取る練習をしてみてください。
〇絵作りに意図を持つ
慣れないうちは感覚だけでトリミングしてかまいませんが慣れてきたら意図を持って画面を考えてみましょう。
下にサンプルを少し載せますので参考にしてください。
リンゴの存在感を優先した構図
画面中央に大きくリンゴを置くことでより物に注意を向けさせている。
リンゴとその周りの空間を感じる構図
リンゴの左側にスペースを作ることで画面に広がりを与えている。
〇上手にトリミングするコツ
漠然と画面を切り取る前に焦点(絵の見せ場、描きたい物)をはっきりさせましょう。絵には様々な構図がありますがそれらをどう使うかは焦点が決まっていないとあまり機能しません。構図とは結局焦点をより良く見せるためのものとも言えそうです。
構図についての基本的な部分をお話しました。構図の知識は作品作りにかなり影響しています。描きたい物だけを考えるのではなく、描きたい物をどう見せるかを考えるとワンランク上の作品になるでしょう。