ガチョウのお散歩

展覧会も中盤です。明日は在廊なしで完全休養です。
僕は人が苦手でたくさんの人に接すると消耗が激しく意識が朦朧としてしまうので少し休養させていただきます。

会期中ですが前にお約束した出品した作品についての解説に入りたいと思います。現物見たくなったら是非お越しください。

「ガチョウのお散歩」からいきましょう。
今回動物を多く取り入れました。自分でも動物を描くことがなかったので良い機会になりました。
人物画もそうですが動きを表現するのって難しいですよね。
形を正確に取れることと動きを感じることが大切だなと実感しました。
獣医さんではないので解剖学を学ぶわけにもいかないので。

作品です。F4のパネル(板)に油彩に描きました。
ベニヤ板のパネルでは粗すぎるのでクレサンジャパンさんのシナベニヤを使っています。僕はいつもクレサンジャパンさん。古典技法だとシナベニヤがよく使われますね。木目が細かく描きやすいです。

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板にジェッソで目止めします。油彩は吸収しない下地が描きやすいです。僕だけかな。吸収しない下地なら拭き取りも楽ですし、キャンバス上の混色がしやすいです。油彩アクリル兼用のキャンバスが多いと思いますが非吸収性の下地がほしかったらジェッソを軽く塗ってから描きましょう。

この絵はほぼ有色下地デッサンです。使った絵具は茶色、黒、白のみです。
有色下地デッサンは白絵具の使い方のお勉強です。
僕は白絵具を「光の量」という認識でいます。白い物を描くときなど固有色に白が必要な場合は別です。固有色より明るい部分を塗るときにトーンを上げますが白を混ぜます。この白絵具の量が光の量ということです。トーンを上げるときに白絵具の混ぜ方が雑な人が多いです。慣れるまで意識して繊細に白絵具の量を調節してトーンを上げましょう。白絵具を混ぜると彩度が下がりますので必要最小限だけトーンを上げるように白絵具を混ぜるのがコツです。

F4の絵ですから細い筆必要になります。細かいところは水彩用の0号か0号以下を使って描きました。

構図の話ですがガチョウさんが前後3匹います。前の左と真ん中、後ろの左の子が焦点エリアでトライアングルを組んでいます。他の子は脇役に徹してもらっています。

画面左下の斑点はテレピンをスパッタリングしています。ウェットな絵具の上にテレピンを垂らすと水彩でいうバックラン的な表現ができるのでそれを使いました。こういったテクニックは真似してやってもしっくりこないことが多いと思います。所詮人のパクリですからやっても違和感が出ると思います。か、たくさん描かないと感覚がつかめないかもしれません。おおもとの根本ではデッサン力の差になると思いますが。画面構成力という点で。

わからない言葉が出てきたらどんどんググッてください。自分で調べるんです。調べる次いでに他の知識も得られますから。
絵は自分でどんどんやらないとダメですよ。受け身ではダメ。
教えられ待ちは上達が著しく遅くなります。

毎度恒例絵具の透明不透明の話です。油彩には透明な絵具があります。例えばガラス窓。透明なガラス窓はけっこう厚みありますよね。それでも外の景色は見えるわけです。ということは透明な絵具を厚く塗っても透明で下地が透けたり、物質感が出なかったりします。要は無駄な厚塗りになります。
絵の中で絵具の塗りの厚さに高低差がつけるのが油彩を上手に扱うコツです。
レンブラントの絵もスッカスカのところもあれば盛り盛りのところがありますね。巨匠の絵は参考にすべきでしょう。

油彩を使いこなすには有色下地デッサンは必須です。
大切だけどあんまりやらせるところないのかな。
やりたい人は言ってください。レッスンでやりましょう!

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