目を細める習慣をつけましょう!

今日は展覧会の搬入準備をしていました。額装のチェック、梱包等ですね。
両親は僕の絵が好きなので嬉しそうに見ていました。
画家になるというと反対する親御さんが多いですが我が家は全面バックアップ体制です。とことん好きなことをさせるのがモットーのようで僕もその期待に全力で応える信頼関係で成り立っています。
温室育ちのように思われがちですが期待されていると土壇場でけっこうパワー出ますよ。これからもやってやるつもりです。

教室での指導では目を細めてよく見るように言っています。
このメリットをざっと言います。

・細かいディテールに惑わされず全体像を把握できる
目を細めると最後に描き込みするであろうディテールを無視して見れます。最初から細かい描写をしようとする人がいますが描き込みは最後の仕事です。この描き込み具合で写実性のある絵になるかの分かれ道でもあります。その前にトーンでの絵作りが優先ですね。ざっくりとした絵が描けない人はこのトーン構成ができていないと思っていいでしょう。
よくレイヤー毎(層)に描き進めてくださいと言いますがこれですね。
まずは形(輪郭線)、トーン、そして最後に描き込みの順番が基本的な手筋です。
リンゴを描くときトーン(リンゴの赤やシャドウ)をすっ飛ばして模様を描く人がいますが無駄な時間になります。ベーストーンの上に模様を描かないと模様のグレーが合わないからです。

・トーンの関係性を理解できる
普通に物を見ている状態ではトーン(物をグレー変換したもの)が全体的に同じに見えます。よりクリアなグレーの濃淡で画面を見れるようにするための工夫が目を細めるです。

サンプル写真で見ながら具体的に見ていきましょう。

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普通の状態です。
日常的に見ている光景だと思います。
ではちょっとだけ目を細めてみましょう。

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なんとなく明暗がわかりやすくなったりしましたね。
では次に極限まで目を細めてみましょう。片目はつぶってもう一つの片目でかろうじて見えているぐらいの感覚です。

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パソコンの前のあなた、今実際にやっていましたね?
レモン丸かじりしたときのような顔になってますよ。笑
極限まで目を細めるとこのように見えます。トーンで描くとはこういうことです。
試しに1枚目の写真を目を細めて見てください。3枚目のように見えたなら成功です。

3枚目(目をかなり細めていた状態)でわかったこと。

・1枚目の写真では情報量が多くて混乱していましたが焦点ポイントが手前右のボートと脇役として手前に歩いている人物、そして画面の雰囲気作りに重要なのは眩しい夕陽とテントがある町の空間。

・1枚目では左の建物も細かく描かなくてはいけない気がしていたが実は省略できる可能性のあるパートだった。

・左の建物と水面の堺は厳密な境界が必要なくトーンのグループ化ができる箇所だ。
トーンのグループ化とはある程度同等のトーンどうしをつなげてしまう技法です。

まだありそうですがこれぐらいにしておきましょう。
目を細めるメリットは偉大です。習慣にしましょう!

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