カテゴリ:色

固有色のトーン差

色を使うと途端にトーン(明度)について忘れてしまう人が多いです。
シンプルに!
物は色を持っていますね。(固有色)
固有色だけでも物と物は分かれていきます。物毎に固有色が持つトーンが違うので当たり前です。
固有色をベタ塗りするだけでもある程度の画面イメージはできることになりますね。以上がまず大前提となります。
サンプル写真を見てみましょう。

auto_casmQj.jpg

ざっくり見ると馬と馬車、葉、木の幹、その他に分かれますね。
背景に細々と物が見えていますが画面を大きく作る段階では無視しましょう。序盤から絵の骨子にならないような細かい物に目がいく人が多いですがだいたい結果がよろしくありません。
固有色毎に馬と馬車、葉、木の幹、その他を塗り分けることをイメージしてください。シャドウが濃くなっているとかも無視です。色だけの差です。

確認で写真をモノクロにしてみましょう。固有色のトーン差をイメージしてください。

auto_bAiF3R.jpg

次に明暗だけで考えて彩色するとよりリアルな絵、現実に近くなっていきます。
「白い物のシャドウは黒い物の明部より暗くなることがある」
これは教室でよく言う言葉ですがデッサンの面白いところでもあります。

デッサンで最初に取った輪郭線を消すようにトーンをつけるよう指導しています。
線の概念があると筆を持ったときにトーン差で物を塗り分ける意識が弱くなります。

例えば…

auto_lzvyHj.jpg

馬車の前輪部分を拡大してみました。
車輪は馬車のカゲが落ちているより暗いから形が出ます。輪郭線ではありませんね。
まずはここまでをしっかりやりましょう。
その次に車輪の中でシャドウを加えることで目立つところと目立たないところに分かれます。スポークの明部、つまり地面とのコントラストが強いところが目立ちます。

見えた色をポンポン置いていくのも楽しいですが一度整理して観察すると彩色手順もスムーズになります。

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