基本を繰り返す

「花の描き方」のワークショップが開催されました。
かなり人気の企画で募集からすぐに定員締切になりましたね。
皆さん悩ましげな顔でしたが得るものがあったと思います。

人それぞれ描きたい物があると思います。
風景だったり、動物だったり、人物だったり。
全て同じですよ。ピンポイントで上手くいく描き方はありません。
その基本は小さな石膏像をしっかり理解して描けるかどうかです。
めんどくさいことを省略して好きな物だけ上手く描きたい人が多いですが無理です。
体験レッスンではその人がどのレベルまで求めているかも見ています。
その到達点で指導内容やオッケーラインも変えてレッスンしています。
楽しく描きたいだけの人に小難しいことを教えてもストレスになるだけですよね。
趣味レベル以上を求める人には厳しめに指導します。これは僕の期待を込めてでもあります。良い絵を見たいんです。僕も人の絵を見て楽しみたい。
厳しく言って辞めてしまって構いません。ただその生徒さんを信じているので受け止めてくれると思っています。そこで辞めてしまうなら根本的に絵が好きではないってことで、多分他の教室に行っても辞めてるでしょう。自営業だから商売っ気出しなさいと年配の生徒さんに言われてしまいますが、人と人、サシで勝負した方が面白いですよね。
余談ですが敢えて指導しない場合があります。描き方がわからないと手が動かなくなることがありますがそれでも放置です。創造するための自主性を鍛えてほしいのです。眼と腕が機能すれば何かしら描けるはずです。そこで自分で考える時間は貴重です。考えられないと指導者がいないと絵が描けない人になってしまいますよね。アートするには自主性は必須項目です。敢えて教えない指導は難しいですがとても大切だと思っています。

話を戻りますが花を描こうが石膏像を描こうが同じです。
質感など少し調整しないといけない部分はありますがベースは変わりません。
初心者には簡単な石膏像でデッサンの基本を説明して理解して頂きますが石膏像以外を描かせると全く違う描き方、手順になってしまう人が多いです。物が変わっても、モチーフの数が変わっても基本は同じです。
愚直なまでに基本を繰り返す。これが描きたい物を描けるようになる最短の近道です。
生徒さんの中で嬉しい話を聞きました。出勤前に1枚スケッチするのが日課だそうです。絵は描くほど上手くなります。観察力も付きますので良い絵を描くための栄養にもなります。こういう取り組みをしている人に儀式的に絵を描く人はかないません。やはり枚数が物を言う世界です。

僕が絵画教室を開いた理由の一つ。「常に絵に接する生活をする」があります。絵に接する環境をセットアップすれば自然と力まずして絵を向上できる状況になるという考え方です。
とことん好きなことする。好きなことを仕事にする。そしてそれを必要としている人に共有する。
人生は一度しかない。ベタですがこれ実践できる人少ないですよね。年々この言葉が身に沁みます。
10年後、20年後どんな絵が描けるか楽しみに今を精進して取り組んでいきたいと思います。

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