伸びのある線!

今回は改めて線を見直そうと思います。

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左の絵は会員さんのためにサンプルで描いたものです。サンプルなので形や描きこみの甘さはご勘弁ください。

私は個人的にハッチングがあまり好きではありません。規則正しく線をクロスさせてトーンを構成することに対して作業をしているような感覚になるからです。しかもハッチング自体を美しいとは思いません。

そもそもハッチングのような線はモチーフにはないはずです。ツルツルしたものでの無駄に線を引くと質感が壊れてしまいます。


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解放された線の積み重ねで絵が構築されていく感じが好きです。

「面毎にハッチングの向きを変えてください」と指導では言っています。
いきなり解放させた線は難しいのでその前段として基本的な部分を理解する必要があります。

しかし最終的にはそれを踏まえた上で自由に線を引いてほしいと思っています。



ハッチングが美しくないと思っているので塗るようなタッチを多用しています。スペインでも塗るようなタッチで描いている人が多かったです。
鉛筆は丁寧に塗り込めば美しいグレーになります。
面を意識したタッチでカリカリ線を引くなら素直に木炭を使えばいいと思います。
面での構成では木炭に軍配が上がります。

教室では背景もしっかりトーンをつけるように指導しています。
これはたくさんのメリットがあるのですがここでは線についてだけお話します。
1. 線を引くことになれること
2. 無心で線を引くことで解放された線への足掛かりになる
いきなりモチーフ内を勢いよく線を引くにはハードルが高いですよね。

鉛筆の線は非常に個性が出ます。会員さんの線はどれも個性があり見ていて楽しいです。
私はその個性を潰さないように最大限注意して指導しています。
上手く描くための線だけ教えていては将来的に最終目標の良い絵を描くことがダメになってしまうと思うのです。
日本の英語教育がその典型ですよね。ペーパーテストでは良い点が取れても日本を出たらほぼ使い物にならない状況と似ている気がします。

心が解放されて引かれる線は音でわかります。リズムもあるので引いていて心地良いでしょう。
描き終わって腕が気だるい感じもよかったりしますね。

私は自分の線が大好きです。皆さんも自分の線を見つけて大切にしてあげてください。

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