油彩のタッチについて

今回は油彩におけるタッチ(筆致)についてです。
タッチを残さない絵の方がかえって楽だったりします。タッチを残す絵は上手さがもろに出てしまいます。

写実的な絵はタッチを消しますが一般的にイメージする絵はタッチが残りますよね。
個人的にはタッチの残った絵の方が個性が出るので好きです。
デッサンも線に個性が出ます。線やタッチは誰かの真似しようにもできません。巨匠の模写をしてもなかなかしっくりこないのはこれが大きな理由ではないでしょうか。生まれ持った個性だと思います。
タッチを消す描き方は個性を消すとも言えそうです。

デッサンの線は筆を持ったときと密接な関係があります。
下の絵を見てください。ゴッホの作品です。皆さんもイメージしやすいゴッホのなんとも言えないユニークなタッチです。ドローイングの線とそっくりです。画材は違えど頭と手は同じですから当然ですよね。

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もう一つ参考にみてください。
ロシアの巨匠ニコライ・フェチンの作品です。
日本でロシア絵画がマイナーなのがよくわかりませんがかなり強力なメンバーがいます。
スゴ腕の画家ばかりです。興味のある方は調べてみてください。

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最後は私の師匠に登場してもらいましょう。ベラスケスです。

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ラス・メニーナスの一部ですが近くで見ると何が描いてあるかよくわかりません。
宮廷内の壁など遠くから絵を見るられることを考慮してこのようなタッチにしたと推測します。
こじんまりとちまちま描いているようでは遠くから見たときパンチ力が足りません。

屋外広告も粗く作られますよね。近くでみるとドットの集まりで文字が書かれています。
原理は似ていると思います。

ベラスケスから絵と鑑賞者との距離について学びました。
私は2、3メートル離れたところから見たときバシッと決まるように絵を設定しています。
絵にはピントが合う距離があった方がいいと思います。
なので近くで見ると雑に見えたり、未完成だと思われるかもしれませんが仕方ありません。

最近は描いているときもあまり席を離れて自分の絵を見ません。
以前は頻繁に描いては席を離れることを繰り返していました。
今は描いているときも離れてみればこんな感じに見えると想像がつくようになったので本当にたまに離れる程度です。

油彩のタッチについて書きましたが水彩やパステルなどにも共通することです。

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