デッサンvsドローイング

日本では素描を意味する言葉としてデッサンが使われています。
なぜかこの言葉にかしこまった印象を受けるのは私だけでしょうか?
個人的にドローイングの方が気が楽です。
デッサンはフランス語ですが、ドローイングは英語で直訳すると「線を引く」になります。自由な感じがしますね。

決定権のある線


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左の例ではたくさんの線がありますが1本の線がくっきり見えていると思います。


意思を持たない弱い線は決めにいった線の存在感には勝てません。
逆の発想で決めにかからないうちは自由に制御されない線を引いてもたいして絵のダメージになりません。
むしろ対象から無意識に受け取るものを絵に注入できるのでメリットが多いです。腕を振って伸び伸び描きましょう!
この薄い線を気にせず引くことでモチーフの形が見え始めたりもします。
練り消しは線が邪魔になったら使う程度で十分です。間違えた線をいちいち消すのはもったいないので線をどうしても残したくない作品作り以外は気にしない方をいいでしょう。

指導する際にはハッチングの向きなどアドバイスします。ビギナーや線を引くことに慣れていない方にとってきっかけ作りのためです。
しかし、本当はそんなものはどうでもいいと思っています。

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John Singer Sargent

左はジョン・シンガー・サージェントのドローイングですが、この絵を見ると考えながら引いた線には思えません。

対象から感じる→無意識に手が動く

この無意識なところがミソです。言葉では表現できない感覚や感情を絵に注入しているからです。
感じる絵にはこのプロセスを通っているような気がします。



間違えた線もおかまいなしに腕をぶん回しましょう!練り消しなんていらないです。
「それじゃ上手くかけないよ!」
大丈夫です。良い絵は上手な絵より価値があります。
やっちゃってかまいません。気に入らなかったら捨ててしまえばいいだけです。

きっと自分の中から何かが出てくるのを感じると思います。
その感覚を次の絵に活かしてください。

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