マッピング(2階調化)

マッピングはものすごく役に立つツールなのでご紹介します。

マッピング=光が当たっているところとカゲの部分をはっきりと白黒で分けること
カゲなのかよくわからない曖昧な部分も強引に白黒つけます。

マッピングはクイックスケッチや描き始めのスタートで威力を発揮します。

明暗を分けるときにキーワードになるのが明暗境界線です。明暗境界線がわからないという方は「光の考察」の頁を参考にしてください。

暗部の中は相対的に明部より見えにくいところです。
明部がしっかり描けてあれば、暗部の中は暗示してあげるだけで観る人は理解してくれます。(今まで生きてきたデータの中から自動的に補足して理解します)

画像の説明

下の画像をご覧下さい。ある写真を2階調化してみました。多少明部も黒くなってしまっている部分はありますが、ほぼ明暗の2つのトーンで分かれています。
2つのトーンしか使っていませんが、少女が座って本を読んでいるのが分かります。


画像の説明

ここでとても大切なことがあります。
下の画像の赤丸のところを見てください。本来なら髪、右肩、腰、足がソファと、右肩が背景の壁と分かれて見えるはずです。
暗部をマッピングする際にはモノ同士の境界線を忘れてください。
モノが違っていても暗部がつながっていたら一つにまとめます。
暗部の中をハッチングするときは遠慮なくモノ同士の境界をまたいでしまいましょう。


画像の説明

マッピングは風景を描くときも有効です。
風景画を描くときの最初の難関は描くものが多くて面食らってしまうことです。写真から描き起こすならともかく、2、3時間のスケッチでは到底描ききれる量ではありません。そこで登場するのがマッピングです。今見ている複雑な風景を4つのトーンで強引に分けます。ここでは明暗を二つずつの合計4つのトーンで白と薄いグレーを明部、濃いグレーと黒を暗部などで分けるといいと思います。


mapping-paisaje.JPG


白・・・車の屋根の部分、雲の明るい部分
薄いグレー・・・空と道路
濃いグレー・・・建物
黒・・・電柱、車のカゲ、建物の扉など

近景と遠景のトーン差こそありますが初期段階でこのような見方ができればだいぶ楽になると思います。

今回は明暗だけでマッピングすることにより、輪郭線に頼らなくても絵は成立することを説明しました。カゲの形はとても重要です。
明暗だけでモノを観る目が養われると輪郭線の概念から脱出することができます。
光でモノを描くようになると無駄な線が減り、絵が洗練されていきます。

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